長い歳月をともに歩んできた、主と愛玩。

けれど、二人の関係をひとつの言葉で表すことは、今もできません。

恋人とも、愛人とも違う。
ただ主が従を支配し、従が主に服従するだけの関係でもない。

欲望をさらけ出し、身体を重ね、
支配と服従の中で互いを知り、
信頼を育てながら、二人だけの愛のかたちをつくってきました。

私たちは、それを「性愛」と呼んでいます。

性をただ求め合うのではなく、
互いの性を奏で合うことで、心まで深く結ばれていく。

その性愛の中から生まれたものが、
主と愛玩という、私たちの関係でした。

そして、その始まりから今日までを綴るのが、
「愛玩の雫」です。

ここに残すのは、出来事だけではありません。

出逢った頃の戸惑い。
互いの本性を知っていく悦び。
主と愛玩になっていくまでの葛藤。
支配する者と委ねる者、それぞれの想い。
そして、歳月とともに変わっていった身体と心。

同じ出来事であっても、
主には主の記憶があり、愛玩には愛玩の記憶があります。

だからこの物語では、
ときに主の眼から、ときに愛玩の心から、
二人が歩いてきた時間を振り返ります。

これは、理想の主従関係を語るための物語ではありません。

二人が迷い、求め、ぶつかり、受け容れ、
長い歳月をかけて見つけてきた、
私たちだけの主従と性愛の記録です。

愛玩の雫 ― 二人の物語

  • 愛玩|私は、主の愛玩である

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    私は、主の愛玩である。 そう呼ばれるようになってから、もう長い年月が流れた。 けれど、私は最初から「愛玩」だっ…


  • 主|私は、愛玩の主である

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    愛玩の雫 出逢い

    すべては、ひとつの出逢いから始まった。 あの頃はまだ、この出逢いがこれほど長い時間へと続いていくとは、二人とも…